青い果実の実る頃には

komei115.exblog.jp

項目に分けて日々思ったこと、書きたいことを自由に書いてます。意見、批判するコメントは大歓迎です。個人的な問い合わせはこちらまで。koumeipart115@yahoo.co.jp

ブログトップ

映画から学ぶもの ~たそがれ清兵衛~

ネタばれなし

b0215567_13242570.jpg




「寅さん」「釣りバカ」で有名な山田洋二監督の作品である。
氏は他にも「学校」シリーズ、「おとうと」などを手掛けている。
同じ時代劇では木村拓哉主演の「武士の一分」が記憶に新しいだろうか。
しかしながら私は声高らかにして言いたい。この作品、「武士の一分」が霞んでもはや見えなくなるくらいの良作だったと。
男尊女卑、身分の差が激しい明治維新直前の世の中。そんな世知辛い世の中での清兵衛(真田広之)のものの捉え方は優しさに溢れている。彼にはきっと先見の目が養われていたのではないだろうか。
貧乏でも家族と慎ましやかな生活を送り、男手一つで二人の娘と痴呆の母の面倒を見る一人の男の背中は今の世の中でもグッとくるものがある。
朋江(宮沢りえ)も素晴らしかった。彼女がいるだけで周りに元気を与える。それはまるで真っ暗な家にポッと明りが灯るようような感じだった。そして彼女も男女や身分の差を気にしない型にはまらない自由さを持っていた。まさに理想の女性像である。
役者もさることながら監督のリアリティへの追及には脱帽である。
私はまだ藤沢周平の小説を読んだことがない。しかし、50石の貧しい武士の暮らし振り、特に明りを極力少なくしていることで家の中の貧しさを引き立たせたり、川に死体がぷかぷか浮いているシーンを強調するものの平然と流すことでその時代での日常性を感じさせたり、後は何といってもアクションのシーン。チャンバラではなく、生死をかけた刀での切り合い、間合いの取り方、切られるときの鈍い音、決闘前の刀を研ぐシーンなどは人を殺すという所業に向き合う人間を描ききっていると思った。観ている自分まで死と隣り合わせの感覚になれた。
あえて今回はあらすじを書かないことにする。
これが日本の邦画・時代劇である(生意気だが)。
見られてない方は是非一度見てほしい作品である。
[PR]
by komei115 | 2011-12-01 13:29 | Movie