青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~ひまわり~

ネタばれ注意!

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イタリアの名匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の1970年制作の作品。主演は、イタリアを代表するソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ。マルチェロ・マストロヤンニは1996年に死去したが、ソフィア・ローレンは今なお健在である。二人とも名優中の名優でご存知の方も多いだろう。「ひまわり」もそうだが、「あゝ結婚」、「昨日・今日・明日」、「バストで勝負」などの作品にも二人が主役を演じており、この3人は長い付き合いだったことが窺える。
1970年は東西冷戦中であったにもかかわらずソ連ロケを決行した。オープン・クローズそれぞれのカットで撮影された一面黄色と緑の広大なひまわり畑の風景は圧巻である。そこに、ヘンリー・マンシーニ(この人もこの監督の映画には欠かせない人物である)による悲しみのテーマ曲が流れ、深い余韻を残す。ひまわりの花言葉は「私の目はあなただけを見つめる」である。まさに映画のテーマにぴったりの花だ。

あらすじは、第2次世界大戦下、ジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は結婚する。お互いが愛し合っており、また、結婚することで長期休暇がもらえ、その間に戦争が終わると考えたからだ。しかし、思いも虚しく、アントニオは極寒のソ連戦線へ送られてしまう。戦争のシーンでは実際の映像も使われており、数々の焼死体や凍死体の混じる映像はまさに地獄絵図である。
終戦後幾年が過ぎ、戻らない夫アントニオの行方を追ってジョバンナはソ連へ向かい、アントニオの居所をなんとか探し当てる。しかし、そこにはジョバンナが立ち入ることもできない新たな生活があった。美しいソ連の女性とその間にできた子ども。その光景を見たジョバンナは愕然とする。

他の人が見たらただの切ないラブストーリーかもしれない。イタリア男の恋愛観を疑うだけかもしれない。
しかし、私は名作「ひまわり」を今まで見ていなかったのは不覚であったと思わせるくらいのめり込み、考えさせられた。これは決してフィクションではないのだ。第2次世界大戦で同じような運命にあった人々は数多くいるだろう。死別だけでなく、生き別れも大いにあったのだと思うと、戦争の悲惨さ、無情さがひしひしと伝わってくる。
恋人と川辺で抱き合ったり、キスをしたりしているときに爆撃が鳴り響き、川が爆発する映像はショックであった。まるで想像がつかない。私たち日本人は平和ボケしているのだろうか。無理もない。戦後に生まれた人は戦争を知らないのだ。苦しさ、貧しさは時代によってそれぞれ異なるが、昔に比べたらずいぶん平和な日本の世の中に改めて感謝する。

この後の話は脱線覚悟で述べたい。
絶対に繰り返してはいけない人間の過ちである戦争。だれもがわかっているはずなのに今でも世界各地で紛争、内乱、殺戮がくり返されている。最近ではイエメン、シリア、リビアなどで“アラブの春”と呼ばれる革命が相次いで起こり、イラン、ギリシャ、フランス・ドイツ間、アメリカのウォールストリート占拠などといったデモも多い。私たち日本人にとったらどこか遠い世界の話で他人事だろう(いや、日本は原発デモが盛んか)。私も、日本の体制が万全でもないのになぜ世界に目を向けなければならないのだ、他の国のことは他の国自身が選択し、答えを出していくべきだろうと思うことがあった。しかし、それでも人としての尊厳、道徳を考えた時、やはり戦争によって傷つく人々を見ると他人事ではいられなくなるのだ。過ちを繰り返さぬよう敗戦国として主張し、傷ついた人々を助け、援助をするのには意義がある。
自分のことだけでなく、もっと関心の幅を広げていくことが今の私たちに与えられた課題である。
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by komei115 | 2011-12-19 03:05 | Movie