青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~果てなき路~

ネタばれ注意

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これは劇中劇か。枠物語か。フィルムノワールか。そもそも幻想か現実か。いや、そんなことはどうでもいいのだ。スクリーンの中に彼女さえいてくれれば。




アメリカン・ニューシネマの傑作『断絶』で知られるモンテ・ヘルマン監督が、21年ぶりに発表した長編作である。将来を嘱望される映画監督と、彼がキャプティブされた謎めく無名女優が映画製作を通して暗黒世界へと落ちて行くと同時に、観る者の感覚を麻痺させていくほどにミステリーなフィルムノワール作品。彼女が演じるのはミューズなのか、デビルなのか。判然としない女性に振り回され、行きつく先にある監督の思いがけない宿命には言葉を失うばかりである。

あらすじは、ハリウッドで活躍する気鋭の若手映画監督ミッチェルが、ノースカロライナで起きた事件を基にした「ROAD TO NOWHERE」という新作の映画製作に着手する。そこで物語に必須だったのは、主人公のヴェルマ役にぴったりの女優だと考えていた。大物を使おうか新人を使おうか。そんな折、多数のオーディション映像の中から、無名のローレルという女優を発見する。彼は、一目見て彼女しかいないと感じ彼女にすぐにアポを取った。彼女をメインに撮影が始まったが、段々と雲行きが怪しくなっていく。

たまたま朝日新聞の夕刊で見て、面白そうとピンと来た。それで何の予備知識もなしに渋谷イメージフォーラムに観にいったのだが、正直に言うと私には一回見ただけじゃわからない映画だった。今私の目に映っている映像が真実なのか、現実なのか、物語なのかよくわからないまま、誰が誰とどういう関係かよくわからないまま話がどんどん進んでいく。わからないのが悔しくて、恥ずかしくて、必死に整理しようとするも頭が追いつかない。それに輪を掛けてシャニン・ソサモンの妖艶な美しさに見惚れてしまった。そして、気持ちが弛んだところにいきなりの銃声で2センチ程宙に浮いた。物語の中で3回程浮いた。

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しかしながら、内容がそっちのけになるくらい彼女を見てしまう。彼女のシニカルな笑み、涙、強い瞳、しなやかな四肢。とても怪しげで、官能的で、エキゾチックで・・・。もし彼女に迫られでもしたら虜にならない男はいないのではないかと思うくらいだ。思わず3枚も画像を載せてしまった。
それはいいとして、先にも述べた彼女がミューズなのか、デビルなのかだが、最後の結末まで見てもよくわからない。証拠もなければ、確信となる回想シーンもない。とうとう幻想、現実、真実がわからぬまま物語はエンドロールとなった。最後に移るミッチェルの途方もない顔と、ポスターの中の彼女の安らかな顔、流れる歌詞が唯一解ることであり、全てを物語っているような気がした。真実も、時に現実の前では物語に帰結するしかないような(とても曖昧で申し訳ないが)。
この手の終わり方は釈然とせず、いつまでもモヤモヤとしてしまってあまり好きではないのだが、監督の映し出す映像はとても美しく、性に突出したいやらしさがなくて大変見やすかった。
渋谷でしかやってないが、見る機会があれば一度観てみる価値はある。余韻を楽しみたい方はおすすめである。
シャニン・ソサモン。
覚えておこう。
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by komei115 | 2012-02-08 22:56 | Movie