青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~真実一路~

ネタばれあり

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真実であり続けることが正しいのか。はたまた幸せのために嘘をつくのが正しいのか。「真実一路」と「嘘も方便」の狭間で葛藤する人々。




昭和十年から翌年にかけて“主婦之友”誌上に連載された山本有三の小説を川島雄三監督の手によって映画化された。

あらすじ
複雑な家族構成をもつ一家は、互いの幸せを願うためからみんなそれぞれに嘘をついて生活していた。
小学5年の男の子がいる。彼だけは無垢で、何も事情を知らない。
少年はお母さんは死んだと聞かされて育った。しかし、実は、母親は死んでおらず、会える距離に住んでいた。嘘をつかず、自分の心に忠実に生きる母は赤ん坊だった少年を残して家を飛び出し、別の男と同棲していた。
ある日、長女のお見合いが婚約後、突然、破談になったことで、この嘘が大きく崩れ始めていく・・・。

真実を生きるのは感情のままに生きることなのか、それとも人間として他者と調和する生き方を模索することかという問い。そして、真実と幸せは必ずしも同じではないこと、相手の幸せを願うと嘘をつかざるを得ないこと、など人生で必ずと言って良いほどぶつかる難問。それは今も昔も変わらない。
昔は考えていることがシンプルだと思っていたが、実際は昔は昔で色々と複雑な事情があったのだとしみじみ感じた。特に、厳格な家制度、男尊女卑の時代だったから、制約が多い中、隠れたところで苦しむ人々は多かったのではないだろうか。姦通は罪だった。できちゃった結婚などもってのほかだったことだろう。
映画ではきめ細やかな人間描写を感じだが、少し大袈裟・稚拙という感じも見受けられた。まあ、それも昔ならではの演出だろうか。しかしながら、全編を観続ける事が少し長く感じられた。ふわふわ、ダラダラ感とでも言おうか。もう少し、この物語の軸となる中心人物を一人に設定し、そこに焦点を当てる事で構成されていればメリハリが効いて良かったかも知れない。テーマ性がすごく良かった分、その点は少し残念だ。
しかしながら、登場人物達がそれぞれ抱えた重さは物語を厚くさせている。ただ堕ちてゆく人々と苦しみながらも人生を模索し再起してしてゆく人々。両者の対比には見応えがある。
面白い作品だった。原作も読んでみたい。
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by komei115 | 2012-02-09 11:11 | Movie