青い果実の実る頃には

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温故知人&映画から学ぶもの ~Orpheus und Eurydike~

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肉体の美しさ、動きの大胆さと細やかさ、限られた空間の使い方。身体の無限の可能性と有限のもどかしさを表現するピナの振り付けに酔いしれる。



世界的なバレエダンサーであり、振付師であったドイツのPina Bausch(ピナ・バウシュ)が全振り付けを手掛けた舞台『Orpheus und Eurydike(オルフェウスとエウリデイ)』の映像作品。正直、これを映画として評価すべきかどうか迷ったが、2月25日公開の映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』に先駆けてこの機会に紹介することにした。

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ピナは2009年6月に癌のために死去した。享年68歳であった。

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日本での評価も高い。1999年に高松宮殿下記念世界文化賞、2007年京都賞を受賞している。2008年4月2に滋賀のびわ湖ホールで行われた『フルムーン』が最後の公演であった。

ドイツ表現主義舞踊の権威といわれるヨースの影響を色濃く受け継ぎながら、同時に演劇的手法をも取り入れたピナの舞踊芸術は「ダンスと演劇の融合」とも言われた。ピナ独特の表現方法は斬新で、不規則的、そして情熱・官能的である。踊ることで肉体が悲鳴を上げ、呼吸で筋肉が、臓器が収縮するだけでも美しさを感じる。『Orpheus und Eurydike』は舞台で一度見てみたいと思う程だ。
しかしながら、舞台作品はやはり劇場で生で観るのが良い。映像の中ではカメラマンの主観、視点にどうしてもなってしまい、自由でない。
だが、私は舞台を生で観ると、今度は一つの座席から見るのがもどかしくなってしまう。いろんな角度から見たいという衝動に駆られるのだ。同じ作品でも正面から、左から、右から。上から見降ろし、下から見上げる。見る方向の違いで表情や動きに微妙な差異があるはずで、取り方が絶対に違ってくるはずだ。究極、舞台の限られた空間すらも取り払いたくなってしまう。
演劇には第四の壁という言葉がある。観客と舞台上に仕切られた透明な壁。演劇内の世界と現実との境界を表す意なのであるが、これは舞台ならではの醍醐味だろう。舞台上で繰り広げられるフィクションという異世界を見世物として、観客を誘い、魅了する。仕切られ、限られた空間でやるからこそ芸術的なのだろう。しかし、その境界すらも越えてダイレクトに人間独自の表現力を味わえたらどんなに感動的で素晴らしいだろうか。そう考え、ディレンマに悩まされる。
話が少々逸れてしまったが、今度公開の映画『Pina』は舞台ではないので、舞踊の可能性がどこまで映画で表されているのか見物である。是非、この映画を通して初の3D視聴に挑戦してみたい。
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by komei115 | 2012-02-21 21:28 | Movie