青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち~

ネタばれ注意

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いのちの躍動、喜びが感染していく。もっと自然に。もっと自由に。私の心をかき乱してくれ。私を狂わせてくれ。



『ベルリン・天使の詩』などのヴィム・ヴェンダース監督による、ピナ・バウシュという人物と彼女の手掛けたダンスにスポットを当てた二つの構成によるドキュメンタリー映画。ピナに関しては以前の「温故知人&映画から学ぶもの ~Orpheus und Eurydike~」で述べているのでそれを参照してもらいたい。彼女が長年にわたって芸術監督を務めたヴッパタール舞踊団のダンサーが、屋内外問わずに躍動的なダンスを披露していく。ダンサーの息遣い、筋肉の繊維単位の動きまで伝わる臨場感あふれるダンス・シーンには圧倒される。

遅ればせながら、人生初の3D映画だった。初めはネズミの国のアトラクションみたいな感覚を受けたが、作品を見てその効果に圧倒された。これは3Dで観るべきものである。画中に奥行きが生まれることで、身体のダイナミックな動きから繊細な動きまで観ることができ、まさに「生の劇」をいろんな角度から自由に観ている感覚。そこには映画ならではの自由さが生きていた。酔ったような気持ち悪い感じにはならなかった。3D映画からはまだまだ可能性と広がりが生まれそうである。
それは不規則的な規則性のダンス。小手先だけの踊りでは通用しない。ただ、動き、繋がるために模索し続けるダンサーたちの自分の「無」の領域から捻り出される。
それはパッション。どうして身体は有限なのだろうというかのごとく激しく踊る。まるで身体はただの容器でしかなく、魂がその入れ物を突き破りたいかのように。もどかしく、狂おしいまでに愛らしい。段々と身体が悲鳴をあげ、呼吸が乱れていく。肺が烈しく上下に動くと同時に、全身の筋肉が連動して動く。しかし、それすらもダンス。いのちが燃え、輝くような美しさがそこにはあった。
そうやって人と人、人とモノ、そして人と大地、水、光といった自然が身体を通して会話する。おどることがこんなにも美しく、情熱的で、そしてダイレクトに伝わるモノだとは知らなかった。このダンスの前では言葉がとても薄っぺらいモノだと痛感する。
ただひとつ残念なことは、ダンサーたちのインタヴューが多かったこと。「情熱大陸」や「プロフェッショナル」を見ている感覚。せっかくダンスで全身全霊ピナを、自分たちを表現していたのに、そこに言葉が出てくると飾りにしか聞こえない。踊りだけで十分伝わった。言葉はいらなかった。

今月3日に、第2作目『ピナ・バウシュ 夢の教室』が公開される。
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監督は違うが、これも似たような作品なのだろうか。興味はある。
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by komei115 | 2012-03-01 21:37 | Movie