青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~ 戦場でワルツを ~

ネタばれ注意!

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アニメーションとノンフィクションドキュメンタリーが織り成す斬新な試みに新たな感覚を受ける作品



元兵士のアリ・フォルマン監督による、ノンフィクションドキュメンタリーのアニメーション。1982年、レバノンで起こったパレスチナ難民大虐殺を通し、戦争がもたらす心の傷と闇にスポットを当てた作品。カンヌ国際映画祭、アカデミー賞などで国際的に賞賛された。兵士の心理状態をアニメの枠組みによってバラエティ豊かな手法で描かれながらも、現代の戦争への風刺が効いている。

あらすじ
友人のボアズがアリに対して、毎夜みる悪夢に悩まされていると打ち明けるところから物語は始まる。悪夢の原因はレバノン侵攻の後遺症だとボアズはいうが、アリの記憶からはその出来事のみがすっぽりと抜け落ちていた。失われた記憶を取り戻すために、アリはかつての戦友たちと会って、話を聞きながらピースを埋めていく・・・。

レバノンは中東、アラブ諸国にある国だ。
あの辺りは今、チュニジアから始まり、シリア、リビア等の「アラブの春」など混乱が立て続けに起きているが、それは今に始まったことではない。
多くの人種が犇き合い、それだけ多くの言語、宗教がある地域だけに紛争、争いは昔から絶えなかった。そこに欧州、米、ソといった大国が口を挟もうと乗り出した結果、更なる混乱を招いたと言えよう。
特にパレスチナ問題は根が深く、盤根錯節としている。一朝一夕に語ることは出来ない。
国境を知らない日本人にとって到底理解出来ない問題だが、極々簡単に言うと、例えば地方の県同士が浄土宗が正しいか日蓮宗が正しいかなどでもめて、県境などの住民達が「お前は○○県人だ。汚らわしい」と言って、それまで一緒に暮らして来た住民同士で殺し合いを始めるようなものだ。
学生時代にDAYS JAPAN編集長の広河隆一氏が監督を務めた「パレスチナ1948 -NAKBA-」というドキュメンタリー映画を見たことがある。

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見ていると、発端の内容の幼稚さに大変馬鹿馬鹿しくなってくるのだが、それが大規模な戦争、殺し合いに発展していくのだから人間って恐ろしい。そして、いつの時代も最大の犠牲者は無力な一般市民だ。
先日も新聞記事でパレスチナ人の市民がイスラエルの兵士に囲まれ、催涙スプレーをかけられている写真が載っていたが、弱者を苛め抜くと、こんなにも悪魔のような顔になるのかとイスラエル兵士の顔を見て恐怖した。多分、道徳心などという感覚が麻痺してしまうのだろう。
今回のこの作品も、戦争が日常へと変わった瞬間に狂い始める人々と、そしてPTSDなどいつまでも心に傷痕を負う人々を描いている。
空虚で何も利益を生まない、人として最悪で最も恥ずべき行為のオンパレードが戦争である。人として生きたいのであれば、まずは武器を捨てることが先決だろう。
我々日本人も、他人事ではない。橋本が、憲法9条を引き合いに出して、日本の若者がどうとか言った時、背筋が凍った。雰囲気が正直ナチにしか見えない。
戦争というテーマに目を背けてはならないし、ポピュリズムの他人任せであってはいけないのだ。
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by komei115 | 2012-04-01 08:12 | Movie