青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~ おいしいコーヒーの真実 ~

ネタばれ注意!

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普段何気なく飲んでる一杯のコーヒー。そこから経済の真実を見つめてみよう。



一杯のコーヒーには裏がある。コーヒー原産国エチオピア。貧困に苦しむ農家を救おうと公正な取引交渉を求めて奔走する一人の男の活動を追うドキュメンタリー。コーヒー産業の知られざる実態を、生産者から企業を通して消費者に届けられるまでの過程を調査することで経済問題の本質に近づいていく。高品質で取り引きされながらも何故か貧困にあえぐ生産者たちが後を絶たない、不公正な貿易システムが招く矛盾に目を疑う。

あらすじ
最も日常的な飲み物として愛され、全世界で1日あたり約20億杯も消費されているコーヒー。今や石油に次いだ巨大な国際的貿易商品になったが、コーヒー農家の多くは困窮から破産に追い込まれるケースが少なくない。何故こういったトラブルが起きてしまうのか。カメラはそんなコーヒー産業の実態を色んな角度で切り取っていく。そして公正な取引を求めて世界中を飛び回る一人の男タデッセ・メスケラ氏にスポットを当て物語仕立てになっている。

コーヒー一杯の値段の分配図
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2001年から2003年の間、コーヒーの価格は30年間の中で最低まで落ちた。これが大元の原因であり、映画が撮られるに至った。したがって、初めに映画と向き合うにあたって現状を把握しておくことも必要だ。今はコーヒーの価格も上がりつつあり、改善された部分も多いかと思う。だが、ここから見える経済の仕組みを知ることは大切で、この作品はいつ見ても時代錯誤にはならないと思う。

問題提起としてあげられるのは三点。
初めに、エチオピアは最貧国のひとつであり、現在はこの20年間でも最も緊急支援に依存している。平均して年間700万人の人々が、緊急支援を必要としているということ。
次にアフリカの国際商取引の割合が1パーセント上がるだけで、年間700億円を生み出すことができる。これは、この大陸が現在支援で得ている額の5倍に当たるという事実。
そして、これが最も問題とされていて、日本なども関わってくることだが、生産者の立場があまりにも弱いということだ。

この作品にも「落とし穴」的要素はある。豆をコーヒーにする過程は商物流、商品開発、製造、販売と結構多く、そのどれもが重要な行程であり、特に焙煎や袋詰め、抽出を行っている大企業にお金が多く落ちてしまうことはいた仕方ない部分もあろうか。
ただ、余りにも生産者への還元が低すぎる。彼らエチオピアの農家は何も多くを要求するわけでなく、必死に労働しても必要最低限の賃金を貰えないから困っているのだ。
私は、無から有を生み出す技術者、生産者、現場労働者が社会において一番大事にされなければならないと思っている。それが企業という中継を担う組織が介入してしまうために分け前を必要以上とられることになるのだ。

今、日本の産業に従事した人たちがNPOなどと連携し、ネットを使って生産者が生産から販売までをプロデュースし、消費者と繋がり、直接売買出来るような新しい取り組みを行うようになってきている。これは非常にいい傾向だ。消費者も生産者の顔が見えて安心するし、それまで6K(きつい、汚い、かっこ悪い、くさい、稼げない、結婚できない)産業といわれてきた農家が、3K(かっこいい、稼げる、感動できる)に変わるからだ。今後の生産者の展開に熱いものを感じている。
しかし、途上国となるとそうは行かない。やはり国の生活水準をまずは根本的に底上げさせ、教育、政治、経済といった国のシステムを確立させることが先決だ。それまでは先進国がどうにかサポートを続ける必要がある。
食糧支援も大事だが、途上国原産の資源を高い値段で買取り、お金を稼がせることもある程度は必要なのではないだろうか。この考えから「フェアトレード」という観点が浮かび上がってくる。
フェア・トレードとは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す取り組みである。
日本は円高による海外展開、そしてTPPの動きに対し、この観点を持って予め問題を予想し、考えを持っておくことは重要であろう。
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by komei115 | 2012-04-02 02:16 | Movie