青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~ 真珠の耳飾りの少女 ~

ネタばれ注意!

072.gif072.gif072.gif☆☆  3.3/5

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映像に映し出される天に召されるような光の輝きに、思わず溜息がこぼれてしまう



17世紀オランダの天才画家フェルメールの肖像画「真珠の耳飾りの少女」をモチーフにしたベストセラー小説を監督の手によって2003年に映画化。妻子のいる天才画家と、彼の家のメイドとして働く純情な少女の出逢いと、もどかしさ溢れるプラトニックで、同時に官能的な愛が物語られる。少女のモデルとして描かれる主人公グリートを演じるのはスカーレット・ヨハンソン。画家を演じるのは『ラブ・アクチュアリー』のコリン・ファース。第76回アカデミー賞において撮影賞・美術賞・衣裳デザイン賞の3部門でノミネートされた、17世紀オランダを再現した舞台セットや衣装は必見。

あらすじ
1665年のオランダ。失明した父に代わって家計を支えるため、画家のフェルメール家でメイドとして奉仕に出されることになった17歳の少女グリート。フェルメールとの出逢いを果し、その類い稀な美的センスをフェルメールに認められた彼女は、特別に彼のもとで顔料調達などの手伝いをし始める。

この作品で最も特徴的であり、評価できるものはフェルメール作品独特の色彩や構図を映像で再現しているところであろう。1665年当時のオランダの街、家の空気感も出ている。蝋燭や太陽光に頼り、貴族と平民の役作りを徹底し、まるで絵画の世界をそのまま切り取ったかのようなその映像美は、どのシーンにおいても絵になるものである。
中でも私が、特に強調したいのは「光」だ。
フェルメールは見事なまでに光と影のコントラストを描き切り、クロード・モネやレンブラント・ファン・レインと同じく「光の画家」と言われ、またその光りには崇高さ、静謐さまでが現れている。
初めて美術館でフェルメールの作品を観た時、あまりの光の美しさにしばし魅了されたのを覚えている。漆黒の闇に浮かぶ「真珠の耳飾りの少女」は北の、オランダの「モナリザ」と言われるほど有名で、私も大好きな作品の一つなのだが、真珠のの“首”飾りの少女をはじめとした窓辺の女シリーズの光の加減も好きだ。
今作品において、その光の美しさが際立って映像に映し出されていた。それは素人目にもすぐにわかる。撮影・美術スタッフによる照明の当て方、光に映える衣裳、セット選びが徹底された証拠だろう。
この作業一つで、見えるものが大きく変わってくる。話は現代に移るが、去年の秋頃にパリのオルセー美術館の内装工事が終了した。特に変わったのは印象派のギャラリー。壁をオフホワイトからネイビーを基調としたシックなトーンに変え、床はダークブラウンのフローリング、照明は自然光を80%カットした光を天窓から取り込み、最新技術の人工照明と組み合わせた。
これにより絵の奥行きと、鮮やかな色彩が更に強調され、その違いを目にしたら一目瞭然だった。
美の追求は奥深い。
それにしても、映画は総合芸術だという意味がよく分かる。一つ一つの細かい再現が物語をさらに引き立たせるのだ。
「こんなところまで誰も見やしないさ」と思っても一流の人は見逃さない。また、素人でも普通のものは感動なくそのまま受け止めたとしても、不自然だったりおかしいと思うものには気づきやすかったりするものだ。
それは映画だけでなく、音楽、演劇、書籍、マンガなどのサブカルでもそうだ。
表現者で、プロであり続ける限り、妥協は決して許されないだろう。

ー追記ー

ここでお知らせ。2012年6月13日(水)から国立西洋美術館で開催される「ベルリン国立美術館展~学べるヨーロッパ美術の400年~」に、ヨハネス・フェルメールの傑作「真珠の首飾りの少女」が初来日する。

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そして6月30日からは「首」に引き続き「耳」が日本の東京都美術館(上野公園内)にやってくる。

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ちなみにこの絵、発見された当時は状態が酷く、約3000円程で取引されたのだが、今ではそれが100〜150億円の価値になってるのだから凄い。芸術っていつ評価されるのか誰にもわからない。残しておくだけ価値はあるだろう。


それにしても、これは是非とも両作品観にいきたい。
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by komei115 | 2012-04-06 02:29 | Movie