青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~ talk to her ~

ネタばれ注意!

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それは歪んだ愛なのだろうか。たとえそれが狂気と呼ばれても、私はその愛のカタチを否定することはできない



ペドロ・アルモドバル監督が、弟で製作総指揮を取るアグスティン・アルモドバルとともに、ともに愛する女性が昏睡状態となってしまった二人の男を主人公に描いた愛の賛歌。『オール・アバウト・マイ・マザー』に続く女性賛歌でもある。
2002年に公開された今作品は、第75回アカデミー脚本賞、ゴールデン・グローブ外国語映画賞受賞をはじめ各国で高い評価を受けた。ピナ・バウシュ、カエターノ・ヴェローゾら一流アーティストによるパフォーマンスが要所に散りばめられ、作品をより一層の深みへと導いている。

あらすじ
病室のベッドに横たわる、若くて美しい女性アリシア。彼女は4年前に交通事故に遭い、以来昏睡状態に陥ったまま一度も目覚めることはなかった。看護士のベニグノは彼女がいつか目を覚ますという奇跡を信じ、4年間彼女を世話し続けるとともに、決して応えてくれることのない相手に向かって毎日語り続けていた。一方、女闘牛士のリディアもまた競技中の事故で昏睡状態に陥る。彼女の恋人である記者マルコは彼女の突然の事故に動転し悲嘆にくれていた。
そんなベニグノとマルコは同じクリニックで出逢い、互いの境遇を語り合う中で次第に友情を深めていくのだが・・・。

正直、賛否両論のある作品かと思う。この作品を女性の目線に立って画一的に、それでいて簡素な(いや、寧ろ現実的な)見方をすれば、あまりの気分の悪さに目を背ける人も多いのではないかと思う。当然、この感覚が正しいものであるし、正しいと思うべきなのだ。
だが、 私はベニグノの中にあり続けるどうしようもない痛々しさに共感してしまう。常に語りかける側でしかなかった彼の姿に、胸が張り裂けそうになる。それはまさに映画冒頭とラストに出るピナの「カフェ・ミュラー」であり、「炎のマズルカ」だ。そして彼が作中で観たサイレント映画「縮み行く男」そのものだった。
ベニグノにとっての行動は、「贖罪」であると同時に「浄化」であり、それは「永劫回帰」だったのではないだろうか。
きっと私も友人のマルコと全く同じ態度を取るだろう。決して彼を見放したりなどはできない。
手紙に書かれた「語りかけて欲しい。嘘も偽りもなく、全てを」という言葉は、今も私の心を震えさせて止まない。
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by komei115 | 2012-04-09 02:03 | Movie