青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~ルート・アイリッシュ~

ネタばれ注意!

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世界で最も危険な道路「ルート・アイリッシュ」から見えてくる、イラク戦争の真実とどこまでも続く社会の闇



パルム・ドール受賞作『麦の穂をゆらす風』などでイギリスを代表する映画監督ケン・ローチ。彼が、実際にイラクのバグダッドに存在し、実際の戦地で行われていることについて深く切り込んだ社会派ヒューマンドラマ。テロの標的になりやすい道路「ルート・アイリッシュ」は世界で最も危険な道路と言われている。いつ殺されてもおかしくない死に近い場所。そのルート・アイリッシュで死亡した仲間の死因を探るべく、真実を求めて動く主人公の姿を通してイラク戦争の闇に迫る。

あらすじ
2003年3月に開戦したイラク戦争から4年。バグダッド空港と市内にあるアメリカ軍の管理地域であるグリーンゾーンを結ぶ道路「ルート・アイリッシュ」。イギリス人の民間警備兵ファーガスは報酬を目当てに親友のフランキーを誘ってバグダッドに赴くが、ルート・アイリッシュでフランキーが命を落としてしまう。当局から発表された死因に不信感を抱いていた彼のもとに一台の携帯電話が送られてくる。そこに映っていたものとは・・・。


息子のジム・ローチが初監督を務めた映画「オレンジと太陽」がつい先日公開された。

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そこで、先に父ケン・ローチの「ルートアイリッシュ」を見ておこうと思った。
内容はどこまでも淀んでいて息苦しく、救いようのない結末に不快感だけが残る実に後味の悪い映画となった。しかし、イラク戦争含めた各地域で行われている戦争と、戦争によって狂ってしまった人間たちが今も存在しているという現状から決して目を逸らしてはならない。これは、実際の時間に地球上で起こっていることなのだから。
この映画で注目すべきポイントは、主人公たちがイギリス軍兵士ではなく、民間軍事企業に雇われてイラクに派遣されたという設定だ。イラク戦争では軍事の民営化により、そこに所属する兵士たちの非人道的な行為が多発してしまった。このことを受けて、戦争ビジネスで暴利を貪る企業の罪深さを痛烈に糾弾し、社会に向けての告発的要素が見受けられた。様々な殺戮映像は実際の映像が多く用いられており、より緊張が高まる仕上がりになっている。
映画の本筋であるストーリーは、戦争によって人間不信に陥った一人の兵士を主人公にすることで、帰還後も情報に振り回され、いつまでも苦しんでしまう戦争の大きな爪痕が表現されている。どんなものも分け合い、兄弟のように接していた親友は、お互いに一番大切な存在であった。それが無残にも戦争という“手段”よって永遠に引き裂かれ、闇に葬られたのだから彼の中で喪失感はいつまでも消えない。怒りや憎しみに任せて行動するも、それが全て虚しさとなって自分に返ってくる。もう、後には引き返せない。この作品が単なる社会派に止まらないストーリーになっていて、そして、この結末こそがもっとも大切な部分ではないかと思う。
この「ルート・アイリッシュ」が叩きつけるものに、私たちはレスポンスをとっていく必要があろう。
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by komei115 | 2012-04-20 19:44 | Movie