青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~ブルー・ゴールド 狙われた水の真実~

ネタばれ注意

072.gif072.gif072.gif☆☆  6/10

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2008年製作(レンタル可)



水に恵まれている日本だから発想できない世界的な水不足の進行。この危機を食い止めるために今こそ水という資源について考えたい



サム・ボッゾ監督による「水」にまつわる社会派ドキュメンタリー。今日、環境破壊や人口増加などにより地球規模で水不足が深刻化している中、世界で起きているさまざまな水を巡る争い“水戦争”の現状を追う。今や石油と豪価値、そして50年先はそれ以上の貴重な天然資源となると予測される水。それを巨大なビジネスチャンスとみなして独占しようとするグローバル企業が引き金となり、国家間の争いまでに発展している。世界の水資源問題を多角的に見つめた本作で映される、生命に必要不可欠な水を取り巻く実態には言葉を失う。

あらすじ
経済が発展すると同時に環境破壊や都市化、人口増加も進み地球規模で水不足が深刻化している。その21世紀は水戦争の時代になるとも言われている。水の循環の仕組みから、現状、水を巨大なビジネスチャンスとみなして独占しようとするグローバル企業、水をめぐる国家間の争い、海水淡水化工場による新たな環境汚染など、世界の水資源問題を様々な角度から検証していく。


映画としては「盛り込み」感が否めず、もう少しまとめて欲しかったところがある。テーマが「水」だけに難しいことなのかもしれないが、本作は大事なエネルギーが分散されているような気がしてならない。大事なことだけに少々残念だ。ただし、第一歩の「知る」という意味においてこの映画の果たす役割は大きいと思われる。


水。それは人類を含めた生命の活動維持に必要不可欠な大切な資源の一つである。人体の60~65%が水だ。一日に約2.3リットルの水分が体から出ていき、その同じ分量吸収しなければ当然渇き、健康状態は悪化し、死に至る。

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さて、「水の惑星」と呼ばれる地球であるが、その97%が海水である。残りの3%もほとんどが氷山や氷河であり、生物が飲める水は1%も満たない。その1%の水を大事な共通資源として生物たちは何万年も前から飲んでは排出し、排水は自然の力で浄化して新たな水になって・・・と繰り返してきたのだ。

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これは水の大まかな循環図である。おそらく小学生の時にだれしも習ってきたはずだ。
このように人間は自然の力に大部分頼りながら水を共有し合ってきたはずだったが、経済の発展に伴い、環境破壊で水を汚染し続け、限られた飲める水は資源から商品へと変わった。今や、人口増加も加担して貧富の差によって綺麗で安全な水を飲めるかどうか、すなわち生死が左右される時代となったのだ。

汚染の原因はだいたい予想がつく。汚染源は工業と化学肥料だ。これによって水質汚濁となるわけだが、流産や精子減少と水質汚濁が関連するのは初耳で驚いた。
水が商品となる原因は水の民営化による大企業の水の独占が大きい。ここにもビジネスが絡んできている。
利益を追求すると、豊かな人が出てくる分自然を搾取され貧しい生活を余儀なくされる人がいるということを忘れてはならない。コカ・コーラは水ビジネスで莫大な利益を上げてきた。その一方で水よりも値段が安いという事態が起き、途上国での健康被害は大きい。何とも皮肉なことではないだろうか。ショックは計り知れない。

「水」戦争は確実に起きつつある。中国で生まれた「水」という漢字は「支配」を表し、英語で「敵(ライバル)」という語源は「川(リバー)」から来ている。敵は川の向こう岸に立つ人間を表して呼んだそうだ。結局のところ人間の最大の敵は人間であるということか。いや、そうあってはならないのだ。人間だからこそ知恵をもってして共に生きてゆくべきだ。

この問題を回避する手段に人間は科学を用いようとする。例えば海水淡水化工場が良い例だ。海水を淡水に変えられるのはいいが、そのおかげで地球温暖化は進む。莫大なエネルギーがいるからだ。それで原子力に注目したのだが、ご存知の通り多くの危険と問題を伴う。その場その場で科学の力を過信して対策をとり、無責任に自然を破壊してきた結果、次の自然破壊へと負の連鎖は続くのだ。自然を無視した科学技術の乱用はもうやめるべきだ。

人類の今後取るべき舵はどの方向だろうか。火星移住計画推進か。そうであってほしくない。自然のサイクルへの回帰と、水を確保して需要を減らして市場を減らすことで水の民営化を阻止すること。農業を改革し、それぞれが輸入に頼らない食糧自給に戻る。ダムを減らし、浸透性ある舗道を作る。人口を制限する。こういった方向に向かうことが大事であり、何よりもあって当然ではなく限りある資源という意識を個人レベルで持つことが望ましい。

私たちの日本は島国だ。それでいて豊富な山と森林と河川に恵まれていて、昔から水に困ることはほとんどの地域でない。だからこそ水が限られた資源であるという感覚に疎くなってしまいがちだ。水が豊かだから近年「水ビジネス」も盛んに進められ、日本の「水」関連会社の株が世界に注目されている。
しかし、周りを見渡してみると、川は汚れ、森は多く切り開かれている。「人からコンクリートへ」を推進してきた結果だ。そして、3.11の原発事故で関東圏の水が一気に汚染される見えない恐怖に怯え、スーパーからは水がごっそり無くなった。今こそ水について、自然について考える必要があろう。
それでもまだ、他の国に比べ美・安全の意識や思考は高い方だと思われる。汚れた川に絶望し、美しい山の緑や川の水、海を守ろうとゴミ拾いや植林活動、工事着工の反対運動も地域で盛んに行われている。気がついている人は多いのだ。

こういった中、私たちに何ができるか。それは知り、学ぶことである。学ぶことによって意識を持てば資源の無駄遣いは控えるはずだ。自分の住む周辺の流域を調べ、自分の活用する飲料と排水の行き先くらいは最低限知っておきたい。関心を持てると、洗濯や洗い物の洗剤や入浴剤なども環境に優しいものを使おうと思えるし、節水を心がけることもできる。まずは最初の小さい一歩を踏み出す。これが何より大事だ。
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by komei115 | 2012-06-09 20:59 | Movie