青い果実の実る頃には

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映画から学ぶもの ~最強のふたり~

ネタばれ注意!
072.gif072.gif072.gif072.gif☆  9/10

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2012年9月1日より全国各地で公開中
詳しくはhttp://saikyo-2.gaga.ne.jp/


ありえない出会い。ありえない交流。しかし、それが実話だからなお凄い。確かにこのふたりは最強だ!



エリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュのコンビ監督が描く、全身麻痺の大富豪と介護者の黒人青年が垣根を越えて友情を結ぶ、実話を基にしたヒューマン・コメディー。昨年の東京国際映画祭でグランプリを獲得した。年齢や環境、好みも全く異なる二人が、お互いを認め合い、変化していくプロセスは圧巻で、フランス本国のみならずヨーロッパで記録的なヒットを樹立した。笑いと感動に包まれた良質なコメディーを堪能できる本作は正に最強である。

あらすじ
不慮の事故で全身麻痺になってしまった大富豪のフィリップは、新しい介護者を探して面接を行った。スラム出身の黒人青年ドリスは、生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することになる。荒くれ者の大富豪の家での生活が始まる。すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情を育んでいくが・・・。


去年の東京国際映画祭でグランプリを撮った映画だけに観てないながらも注目はしていた。その前の年のグランプリである『僕の心の奥の文法』は受賞しても未だ公開されていない。面白かったのに。しかし、面白い作品でも配給が決まらなければ公開されないのだ。
さて、本作はどうだろう。日本で知られたスターは不在、主役は車椅子の中年と黒人青年、眠くなるようなフランス語のコメディ映画では、いくら作品がよくても配給が決まらないんじゃないか。そんな不安もあったが、見事公開されることが決まり、まだ見ていない私はおのずと期待が膨らんだ。
公開初日に行こうかと思ったが、ズルズルと予定が延びてしまい、結局2カ月以上も先になってしまった。しかし、しかしである。もう終了になってもおかしくないのに、足を運んだ新宿武蔵野館のその日の初回公開は立ち見席しか空いていなかった。なんということだろうか。決して広くはないが、それでもスクリーン1は133席ある。それが朝の10時には全部埋まっているのだから驚かずにはいられなかった。さすが最強のふたりである。
次の回を早めに取っておいたおかげで楽々と座ることができたが、その回も満席になった。そんなに面白いのかとますます期待は大きくなる。

この物話は実話をベースとしており、障害者と介護人の話だ。こうなってくると、日本映画だったらお約束の「お涙頂戴」的な映画になるはずである。私は感動させることを狙って描かれた社会的弱者の話が苦手だ。しかし、蓋を開けてみると終始ゲラゲラと腹を抱えて笑えるコメディで、それなのにいつの間にか感動していて心が揺さぶるという結果だった。 快感と呼べるほどに爽やかで、かっこいい。やっぱりフランスは作り方がお洒落だなあと感心した。
大富豪の紳士フィリップは、事故で首から下が麻痺してまったく自由が利かない状態。そんな彼が自分の介護役に選んだのが、スラム育ちのアフリカ系フランス人あんちゃんのドリス。子供がそのまま大きくなったようなこの男は常識や偏見に縛られることなく、「障害者を障害者とも思わぬ」言動でフィリップを容赦なくおちょくる。日本人なら絶対タブーだろうということも平気で言う全くの礼儀知らず。だが、腫れ物に触れるような接し方をされる屈辱より、同情のかけらも見せないドリスの言動がフィリップにはどれほどありがたかったことだろうか。彼にとってドリスは森であり大地であり水であり空気であった。彼の近くだと、息をすることができた。
一方、ドリスも色々と悩みを抱えていたが、フィリップと接しているうちに自分でも解決しようと試みる。彼らは気が付いたとき、主従関係を越えた無二の親友となっていたのだ。
社会的立場も音楽の趣味も正反対なふたりが、互いを面白がる掛け合いはひたすら面白く、痛快だ。偽善の匂いも、居心地の悪さもまるでない。ただふたりが世界を広げ、共鳴を深めていく過程が観ているこっちも嬉しくなってくる。
私がフィリップの立場だったらドリスを採用するかしないかどっちが良いだろうか。全てを手に入れているようで全てを手にできない男。結局はフィリップと同じ選択をするのかもしれない。彼のまっすぐな瞳と天真爛漫な笑顔を、きっと愛さずにはいられない。
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by komei115 | 2012-11-14 00:44 | Movie