青い果実の実る頃には

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編集 NHK『爆笑問題のニッポンの教養』製作班 / 発行 三笠書房 知的生きかた文庫

学問はいつでも、どこでも、そして誰にでも開かれている。今こそ、思考を始めよう。知識という大海原を冒険すれば、おのずと世界の見方が変わってくるはずだ

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by komei115 | 2012-08-21 21:57 | Reading&Music
ネタばれ注意!

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2000年製作/イラン (DVDあり)

三つのオムニバスから見えてくるイスラムの女性像。古きものと新しきもの、自由と抑圧、生と死。それらを抱え込むイランの現状が見えてくる

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by komei115 | 2012-08-15 23:39 | Movie
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「僕は今どこにいるのだ?」そう投げかけるワタナベトオルは村上春樹自身であり、私たち自身でもある。1970年の直子の死は私たちに何をもたらしたのだろうか

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by komei115 | 2012-08-14 23:53 | Reading&Music
 
 死者は墓に眠ってなんかいない。どこかでそういう歌があったことを幹斗はふと思い出したが、それでも墓に向かって語りかけた。人を恐怖に追いやる幽霊を信じたりなどはしないが、今でも墓場には死者が眠っているものだと信じている。そうでなければ、実秋が浮かばれないし、それ以上に自分が浮かばれないと思うからだ。
 気がつくと雅也が水がいっぱいに張ったバケツを軽々と持ちながら幹斗の隣りに立っていた。
 「よし、掃除するか」
 二人は墓石を水で洗い、雑巾で磨き、あたりに散乱している落ち葉を掃いて回った。雨に打たれた蝉の抜け殻が力なく地面に横たわっているのを見つけた。
 「まだ7月に入ってないのにもう蝉の抜け殻があるよ。今年は少し早めに鳴き始めるのかな。それともこいつだけフライングしたのかな。そうじゃないといいんだけど」
 雅也が笑って言うが、抜け殻を見つめる眼差しはどこか寂しそうだった。幹斗は抜け殻を拾うと墓石の上に置いた。
 掃除が終わり、最後に新しい水を花と墓石にやって、雅也は3本、幹斗は2本の線香を点けた。立てられた線香は初め勢いよく燃えていたが、やがて消えると白く細々とした煙を空へと立ち上らせ始めた。
 合掌を終えると、雅也はポケットから煙草を取り出し、火をつけた。そして、ヂリヂリと燃える音が聞こえてきそうなほど一気に煙を吸い込むと、長い沈黙の後にゆっくりと吐き出した。同じように空へ空へと煙が昇って行った。
 「あれ、煙草やめたんじゃなかったっけ?」
 「やめてるよ、普段はな。でもさ、この場所に来るとなると、どうしてもダメなんだ。無性に吸いたくなるんだよ。だからこれ、今回はお前の黙って持ってきちゃった。お前も吸うか?」
 「いや、今はいいよ」
 悪びれることもなく煙草を差しだす雅也に幹斗は笑いながら答えた。雅也はすまんと言いながら幹斗に煙草の箱を返すと、もう一度吸い、木々の木漏れ日に眩しそうな顔を浮かべながら話し始めた。
 「俺さ、実は一年に一度はこの場所を訪れていたんだよ。それは、おじさんやおばさんとだったり、一人だったり、俺の家族とだったり。そして、幸恵さんとも一緒に来たことがある。毎回、さっきみたいに掃除して、水やって、線香上げて。話しかけながら、煙草を吸いながら」
 「・・・そうなんだ」
 「今まで黙っていてごめんな。でも、これはお前のためというよりは、俺自身のために来ていたんだよ」
 風が吹き、かろうじて煙草の先端にぶら下がっていた灰が飛ばされ、雅也の指の間から抜けて舞っていった。
 「俺はお前の兄貴分として失格だった。おまえを守ろうとしたつもりだったが、弟分ができてうれしい気持ちもあったんだよ。俺は幹斗に甘えられることで、自分を保ってきたんだ。大学の件で、おじさんやおばさんと向き合わせるべきはずが、むしろ遠ざけさせちまった。実秋と同じ二の舞のことを俺はやってしまったんだよ。実秋から、おじさんやおばさんから、お前を奪った。全部、俺のせいだ」
 「ちょっと待ってよ。それは違うよ、雅兄。俺はどうしようもなくこの町を出ていきたかったんだ。雅兄に言われたからとかじゃなく。そして、出たら二度と戻ってこないと思ったし、現にこういった状況になんなきゃこの町になんか戻ってこなかった。それ程、あの人たちが、あの人たちの住む町が反吐が出るほどに嫌いだった。その理由は一番雅兄が知っていて、理解してくれているはずじゃないか。初めて二人で遊んだ日から、ずっと」
 動揺し、心がざわめくに反して言葉がポロポロと口からこぼれ出ていった。雅也の言っている意味が幹斗には理解できなかった。どこか遠くの方で蝉の鳴く音を聞いた気がした。
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by komei115 | 2012-08-09 23:58
ネタばれ注意!
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1993年公開(レンタル可)

「今、忘れられているとても大切なものがここにある」というより、もはや今となっては空想のおとぎ話に近いような純粋無垢な師弟の交流が描かれている。これ程まで「仰げば尊し」の歌が心に沁み入る映画は他にないのではないだろうか

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by komei115 | 2012-08-08 18:44 | Movie

コンビニが好きすぎて、コンビニの曲を作ってしまった外国人だ。
あまりの馬鹿さ加減についつい載せてしまったが、実はこのコンビニ。今や世界中にあり、私たちの生活にとって切っても切り離せない存在にまでのし上がった一方で、コンビニの出現によって失われたものは大きく、苦しむ人々は多くいる。
例えばフランチャイズでコンビニ化した個人商店は数え切れないほど多く存在するが、その経営はどれも厳しいと聞く。親会社から商品を買わされ、売れ残った商品は値引きすることなく廃棄しなければならないからだ。しかも24時間経営を強いられ、おのずとアルバイトを雇わなければならない。立地状態が悪ければ赤字は免れないのが現実だ。それでも時代の流れと大手コンビニ会社のプランに乗せられてコンビニ経営を始める商店は後を絶たない。また、酒やタバコ、薬や雑誌・本などまとめて買えるようになり、地元地域の顔として機能していた酒屋を始め、たばこ屋、薬局、書店がその姿を多く消していった。
そんな事情がある一方で、私たち消費者は「コンビニというモノは24時間経営で、私たちの家の近所に必ず一軒あるのが普通で、いつでもどこでもアクセスでき、新鮮で簡単で多くの日用雑貨と食品が並んでなければならない」という固定観念にとらわれている。そうでないと便利でない、コンビニとしての意味はないと考えがちになる。
「便利」なことが一番と信じてきた。そして、それを実践してきた者が独り勝ちをし、様々な仕事を奪っていく構図が出来上がってしまった。これで良いのだろうか。便利すぎる世界は考えものだ。何でも手短に済ませられる社会は私たちの思考の幅もどんどん減っていくような気がしてならない。
「手間」が本当にいけないことだろうか。考え直す必要がありそうだ。
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by komei115 | 2012-08-07 20:29 | Reading&Music
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姜尚中著 2012年6月20日発行 集英社

漱石、ジェイムス、ウェーバー、フランクルの共通性に触れ、今から100年前にすでに始まっていた「世界の終わりの始まり」をひも解き、今と対比させていく。悩む力。それは生きるための潤滑油だ

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by komei115 | 2012-08-07 20:05 | Reading&Music

 幹斗が前を向くと、バックミラー越しに運転中の雅也と眼が合った。雅也の眼が笑いかける。
 雅也の突然の誘いに幹斗はたじろいだが、その隣で幸恵がすぐに「いいですよ。ぜひ二人で行ってらっしゃいな」と笑顔で承諾するので、彼もそれに続いて返事をした。
 話が決まると、三人は近所の花屋に寄って花を買い、自宅で幸恵が車から降りた。すると、思い出したように
 「雅也さん、少しだけ待ってもらえます。あなた、一緒に来て」
 と言って、家の中に入っていった。
 幹斗も降りて、玄関へ向かう。昨日と打って変った快晴の青空からは、初夏昼間の太陽光線がギラギラと差し込み、思わず眼が眩みそうになった。家の中に入り、すでに首筋から噴き出した汗を拭いながら待っていると、幸恵が手に何かを持って部屋から出てきた。
 「これ、持って行って。大事なものなんでしょ」
 そういって手渡され、見ると壊れた懐中時計が手の中に納まっていた。
 「どうしてこれを?」
 「壊れているのにいつもあなたの書斎にあったから不思議に思っていたの。それで、気になって内緒で雅也さんに聞いちゃった。ごめんなさい」
 淡いブルーのワンピースの前でバツが悪そうに両手を組んでいる。許してもらえるのをわかっていて穏やかな表情ではあったが、それでも真面目に謝ってくる幸恵を見ると、自分の知らない間にいろいろ知られていたことなどどうでもよくなってきた。きっと、彼女なりにいろいろと気を使って、心配してくれていたのかと思うと、何も考えず、逃げて、逃げて、逃げ続けてきた自分が本当に情けないと幹斗は頭を垂れた。思わず、懐中時計を握った手に力がこもる。
 「いや、別に謝ることじゃないよ」
 「この機会に雅也さんとゆっくり話をしてきて。きっとあなたも話したいこと、聞きたいこと沢山あるんじゃないかしら」
 「・・・ああ」
 「私は、これからお義母さんの荷物まとめて、もう一度病院に行くわ。昼ごはん一緒に食べて、話をして。それから、家に帰って夕飯の支度しながら待ってるから。二人ともお腹減らしといてね。夕食の後で雅也さんを見送ったら、今度は私と話をしましょう」
 「・・・わかった」
 「じゃあ、行ってらっしゃい」
 「あのさ」
 「何?」
 いつもの優しい笑顔がこぼれている。この笑顔に何度救われたことか。
 「あ・・・いや、行ってきます」
 幹斗が戻り、車は墓に向かって出発した。そして、十分程山道を走ったところで見えてきた寺近くの駐車場に止めた。
 「よし、行こうか」
 シートベルトを外しながら、雅也が言うと、そのままドアを開けて外へ出た。幹斗も続いて外に出る。
まだ、昨夜の雨が乾ききらずに、ぬかるんだ土が皮靴を包みこんだ。水はけが悪く、ところどころ水たまりをつくっている。日差しが水たまりに反射し、幹斗は顔をしかめた。
 寺やその周りの風景を見ながら歩き、最後にこの地に来たのはいつだったかと考える。詳しくは覚えてないが、高校の時、一人で歩いて来たのだけは覚えている。そして、その日も今日と同じく焼けるように暑かった。
 幹斗は汗ばんだ手でポケットの中の懐中時計を握った。
 久しぶりに来たよ。俺のこと、薄情なやつだと思ってる?秋兄
 墓の前に着くと、雅也が花を差し、墓の横に置いてあった箱を開け、バケツと雑巾を取り出した。
 「昨日雨降ったけど、掃除はしといた方が良いだろう。俺は水汲んでくるから、幹斗は線香と火を用意しといてくれ」
 「わかった」
 用意を整え、幹斗は雅也が戻ってくるまで一人で墓の前に立たずんでいた。風が時折吹き、新緑の葉が擦れて、音を出している。幹斗はポケットから懐中時計を出した。
 「これさ、覚えてる?俺がずっと持ってたんだ。ごめんな、だけど前から欲しかったんだよ、秋兄の懐中時計。・・・それにしても、まさかここに来るなんて思っても見なかったよ。俺もう33だぜ?気づいたら秋兄の2倍以上生きてるんだ。こんな面見ても、誰だか分かんないだろ」
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by komei115 | 2012-08-02 23:58
ネタばれ注意!

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7月21日より全国各地で公開中
詳しくはhttp://www.ookamikodomo.jp/index.html


母の「受容」と子どもの「葛藤」。子を育む。それはいつの時代であれ、どんな家庭であれ、究極に難しく、同時に簡単なことである

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by komei115 | 2012-08-01 13:33 | Movie