青い果実の実る頃には

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Fredericks soliloquy ~No.5 Nagatoro

12/01/2012


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遅れましたが明けましておめでとうございます。久し振りのFrederickです。


この日のご主人は夜通し起きていた。汚いひげ面の顔である。


朝になって風呂に入り、約1カ月程伸ばしっぱなしだったひげを綺麗に剃っていた。好青年とは言えないが、幾分かマシになり、年相応の顔になったようだ。これなら今日会う彼女も喜んでくれるに違いない。


眠たい目をこすりながら家を出たご主人。今日はどこに行くのかな?


超満員の電車に揺られ、乗り継いで揺られ、また乗り継いで揺られること一時間半。埼玉の地に降り立った。私がご主人と出会ってから初めてくる場所だが、彼は久し振りらしい。彼女と待ち合わせをして、さらにそこから約2時間と少々電車に揺られる。外見は普通だが、寝てないせいかご主人の目は死んでいる。トークも不調。まあ、それはいつものことなのだが。しかし、寝てないからこうなるのだ。


羽生で秩父鉄道に乗り換える。suicaが使えず、切符を買わなければならない。しかも、自動改札ではなく、駅員の目を通すのだ。昔ながらの光景に不便さを感じつつも、この光景が当たり前でなければならないときっとご主人なら言ってくれるだろう。期待していたが素通り。どうやら、駅構内で朝ごはん用に買ったパンに釘付けで、それどころじゃないらしい。いつ食べるのが無難かと、しげしげパン袋を見つめながらホームへと急ぐ姿はおもしろい。そんなにおなか減っているのか。


電車に乗り込んで気がついた。人がドアを手動で開け、入ってくる。その光景はご主人の目には異様に映ったらしい。レトロとは言い難いが、歴史を感じさせる車体。毎日砂埃を浴びながら大地を走り、数多の人々を各駅へと送り届けてきた歴戦の勇者なのだ。それをご主人は平気で「古!」と一蹴し、「なんか一つ一つの音が大きくて恐い」「車内は寒いのに尻だけ焼けるように熱い」「長くない?」と文句を言い始める。この線を利用している人たちに一度ボコボコにされれば良いのに。


一時間半をかけて、上長瀞駅で下車した。初めての埼玉県最大の市、秩父の大地。空が澄みきっていて、冷えた空気が肺を満たしていく。身体の芯から冷えていく感覚を受けた。

駅を出ると、あまりの静けさと索漠とした光景に驚いた。関東の地にまだこんな場所が残っているなんて。まさに異世界。

現地でお金を下ろせばいいと思っていたご主人はATMを捜したが、コンビニがありそうな雰囲気は全くと言っていいほどない。諦めて旅館へと向かった。
これだから無計画野郎は困る。彼女に感謝しないとね。
旅館までの道の途中、川が流れていた。荒川だ。大分上流まで来たらしい。この川の水が100キロ以上もの道程を流れ流れて、毎年恒例で見に行く足立の花火大会がある北千住までを流れていると思うと、すごくワクワクした気持ちに駆られる。土手を降り、近くまでくると、川なのに何故かうっすらと潮の香りが鼻に抜ける。不思議に思ったご主人は川の水を少し舐めてみたが、やはり純水であった。あれは何の匂いだったのだろうか。
所々、川岸の水が凍っている。上の写真はその上に立った私だ。手で強く押すとみしみしと音を立て、終いには割れてしまったが、かなり厚めに氷が張っていた。ここら近辺の気温は一体何度なのだろうか。暫くして旅館に向かったが、後10分遅かったら私は冬眠、もしくは永眠してしまっただろう。
旅館に着いてから食事、温泉を楽しんだが、他に観光できそう場所もなく、またあまりの寒さにやることがない。
私はぐっすりと寝させてもらった。
のんびりと過ごせた一日だった。
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by komei115 | 2012-01-14 17:36