青い果実の実る頃には

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読書から学ぶもの ~文明の子~


ネタバレなし

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太田光の世界観、哲学、人間性が詰まったSF巨編小説。




第一作目である「まぼろしの鳥」の作風とは異なり、さらに長編の作品を完成をさせた爆笑問題の太田光。どこか、彼の敬愛する小説「タイタンの妖女(カート・ヴォネガット著)」を思わせるようなSFで、時間軸・空間軸のそれぞれ異なる事象、事件が点のように散りばめられており、それらが点のままで終わったり(それもどこかで線として繋がっているのかもしれないが、私には解せなかった)、線として繋がったりする。それはまるで、一つ一つの物語が夜空に浮かんだ光り輝く星々のようで、人間がその距離も大きさも異なる星を線で結び、星座にするかのようである。
斬新なアイデア、物語の流れなどは、一作目よりも確実に上を行くものだと思う。しかし、同時に文章の雑さ、諄さも目立った。考えている世界は面白く、美しいものなのに、言葉でうまく表現しきれていなかったのがおしい。そして一番残念でならないのが、太田光という存在である。彼はメディアを通して知られ過ぎた(特に私は彼のファンである)。だから、斬新といっても私に言わせればいまいち新鮮さに欠ける作品となった。爆問学問(NHK)をはじめとした彼の出演番組や彼の書いた書評などで伝えていることの延長に過ぎない。作品が、太田の手の中で転がっているような感覚。読んでいて、どうしても太田の顔が浮かんでしまった。
小説や物語は、(自伝やノンフィクションを含め)その人物の手中を飛び越えて独自に歩き出すことがおもしろさだと思う。それは大変難しいことだが(有名になり、素性を知られるだけさらに難しいことだろうと思う)。
しかしながら十分楽しめる作品である。素直におもしろかった。第三作目に期待したい。
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by komei115 | 2012-01-30 23:22 | Reading&Music