青い果実の実る頃には

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読書から学ぶもの 宝島

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スティーブンスン著/安部知二訳 岩波文庫 1963年

誰もが一度は通る冒険小説『宝島』。本を開くと海賊たちの懐かしい声が聞こえてくる。
亡者の箱まで這いのぼったる十五人 一杯飲もうぞ、ヨー・ホー・ホー!
あとの残りは、悪魔に食われたよ 一杯飲もうぞ、ヨー・ホー・ホー!




海賊・宝・冒険・ラム酒の物語といったら『宝島』といっても過言ではない。この作品自体も数々の児童書や絵本として出版され、多くのアニメ作品も生み出している。ジョニー・デップの『パイレーツ・オブ・カリビアン』にしろ、漫画『ワンピース』にしろ、その全てが宝島を元としている。誰しも一度は少年・少女時代に見たり読んだりしてきたであろう。何を隠そう私もその一人である。

しかしながら、何故今さら宝島を読もうと思ったのか。一番の理由にいつまでたっても冒険心は消えないからと言いたいところだが、残念ながらそうではなく、スティーブンスンと言えば『宝島』、『ジーキル博士とハイド氏』などがポンと出てくるのだが(あやうく『ガリヴァー旅行記』と混同させそうになるが)、実際に小説を手に付けたことはなかったので、この際スティーブンスンを読んだろうという気持ちになっただけである(したがって次回の話がジーキル博士とハイド氏になるのは言うまでもない)。

さて、内容の方だが、一昔前の翻訳であるので多少読みづらい面もあったが、それでもツルゲーネフの『初恋』やシェイクスピアの『ヴェニスの商人』などの初版翻訳本と比べれば全然読みやすかった。
そして、何より物語のテンポが良いためどんどん引き込まれて読み進んでしまう。大人になった今でも読み終わった後面白いと感じることができた。冒険小説や推理小説ならではと言ったところだろうか。それにしても、改めて宝島の物語の構造とその流れの文章には脱帽である。
もちろん、冒険のワクワク感やスリルに特化されているため、物語による登場人物達の成長はあまり描かれてはいない。その点、スウィフトのガリヴァー旅行記やダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』などは冒険による主人公たちの心理描写や旅を通しての心の変化が事細かに描かれていてこれまた面白いのであるが。まあ、それはこの宝島の主人公であるジム少年が語り部となった思い出話なので、描かれていなくて当然と言えば当然かもしれない。しかし、誰が味方なのか敵なのかという冒険家と海賊との命の駆け引きは見物である。
童心に返って読める、ロマン溢れる不朽の名作である。子どもがいるなら是非とも読ませたい作品だ。
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by komei115 | 2012-10-09 23:31 | Reading&Music