青い果実の実る頃には

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日日之思慮 その65

【情けは人のためならず】と言う成句がある。「情けを人にかけておけば、それが巡り巡って結果的に自分に良い報いが来る」と言う意だ。したがって人に情けをかけることは良いことだとこの言葉は語っているのだが、近年では「情けをかけると、本人のためにならず、自立できなくなる」という意に誤った解釈をされていることが多い▼意味が揺れている言葉は成句に限らない。例えば【失笑】。「笑いも出ないほどあきれる」という意で用いられることが多いが、本来は「(愚かな言動に)こらえきれずに噴き出す」という意である。他にも、【にやける】「なよなよとした」、【姑息】「一時しのぎ」、【ぶぜん】「ぼんやり」、【おもむろに】「ゆっくりと」という本来の意を聞いて驚く人も多いのではないだろうか▼驚くのも無理はない。これらの言葉を用いる人の半数以上、特に若い世代の人は約8割が別の解釈をして日常会話にとり入れているからである。彼らの中ではそれが常識なのだ。逆に文化庁の国語世論調査で本来の意を使う人は3割程度。誤った解釈が本来の意を覆すことは多々あるのだ▼こうなってくると、どっちが正しいのかはっきりとは断言しにくい。「どこからが誤用」で御用!(申し訳ない)かの線引きはますます難しくなってくる。誤解を理解すべきかどうか、悩ましいところである▼意味が揺らいでしまうのは言葉が生きている証でもあろう。近今は会話だけでなくメールやツイッター等SNSで文章を書く機会が増えており、多種多様な用語や文字が生まれては消えていく。対応するためには敏感である必要がある▼しかし、今の潮流にだけ乗っかって、本来持つ言葉の意味を忘れていってしまうのは何とも寂しいことである。「情けを人にかけられない」人が増えるのも困ろう。たかが言葉、されど言葉。大事な意思疎通・伝達のツールなだけに、普段から意識して言葉を使用するように心がけたいものだ。
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by komei115 | 2012-10-21 03:23 | Column